お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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お互いに身支度を整え下駄箱へ… 俺はもう腹は決めているけれど… やっぱりまだ二人の間の空気は喧嘩をしているような感じの居心地の悪さが渦巻いていた まぁ、実際喧嘩のような状況なんだから当たり前なんだけれど… お互い無言で靴を履き替える… そして無言で校門を出て… いつもの通学路… 「…………」 「…………」 無言で歩く… ただ気まずいというわけではなかった いや、実際はかなり気まずい状況だったのだろうが… そんな状況を塗りつぶしてしまうくらい緊張のほうが大きかった 人生初の告白をする… その緊張は並々ならぬものではない… ゲームやら小説やらでもこういった緊張する描写は描かれているが… たとえどんな小説家にもこの時の緊張をありのままに書くことはできないであろう 言葉では決して言い表せない… 重く静かな緊張… 心臓が口から飛び出そうだ… 言おう… 言わなきゃ…ここから前に…進めない… 「あの…宇佐美さん…!」 宇佐美さんが一瞬だけビクッとする その後すぐ小首を傾げて見上げるように俺の顔を覗き込む 俺より身長が低いからそうなるのは当然のことだ けれどそんな当たり前の行為ですら愛おしいと思える… あぁ…やっぱり俺…この子のことが好きなんだな… 「あ、あの…!」 「京太!」 聞き慣れた声が響き渡った…
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