お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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「え…えっと…その…姉さん?」 もはやワケがわからない パニック状態である 俺も言いたいことは…というか告白があるのだが…姉さんがいる状況ではとてもじゃないか言えないし… 宇佐美さんもなんだか言いづらそうにしている… 姉さんは姉さんでずっと無言だし… もうなにがなんだか… 「き、京太くん!」 「京太…帰るわよ…」 「え!?」 「え!?」 俺と宇佐美さんは驚いて声を上げた… え?今…宇佐美さんが話あるって言ったよね 聞こえてなかったわけじゃあるまいし… 「あ、あの…」 「早く帰るわよ!」 「え!ちょっと!姉さん!なんで!?」 そのまま俺の手を取り直し歩き始める… なんだかその必死さに俺は抵抗できなかった… 「ちょ、ちょっと待ってください!」 「…………」 姉さんは再び足を止めた そして宇佐美さんの方に振り返る… その目は… 宇佐美さんを信用しきっていない… ゾッとするほどに冷めた目つきだった… 「……っ!!」 「……なにかしら?」 声も俺にかけてきたときよりぶっきらぼうだった… 宇佐美さんが一瞬怯むのも無理はない… こんな姉さんを見るのは… 久しぶりだった… 「あ…えっと……その…」 「…………」 姉さんは静かに…ただ静かに宇佐美さんの言葉を待った… やがて… 「き、京太くんに…わ、私の…」 すると姉さんはあからさまにため息をひとつ… 「京太への告白ならお断りするわ」 冷たく…ただ簡潔に言い放った
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