お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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「は?」 今…姉さん…なんて言った…? 告白を断る? 姉さんが? 宇佐美さんの? え? 「…………帰るわよ」 「…………」 俺の手を引っ張る姉さん… 俺はあまりの衝撃的な出来事に完全に頭がついていけてなかった… されるがまま…姉さんに引きずられていく… 「ちょ、ちょっと待ってください!」 「……まだなにかあるの?」 姉さんたちがなにか話している… 「そ、その…な、なんで…」 「あなたが京太に相応しくないからよ」 「……ど、どこが…ですか…」 宇佐美さんの言葉はかなりしどろもどろだ… 「……そうね…そういう…諦めないところね…」 「……え?」 よく見ると宇佐美さんの目には涙が… まだ流れてはいないが目にたくさん溜まっている様子が見て取れる… 「諦めないことの…なにが…い、いけないんですか…?」 「教えるつもりはないわ…とにかく諦めなさい…」 「………どうして……」 「なにがかしら?」 「……だ、だって!美春先輩…昼休みに…応援してくれたじゃないですか!」 「そうね、今でも後悔してるわ」 「っ!!どうして!」 「あなたがそんなことをする人に見えなかったから…かしらね」 「そ、そんなことって…な、なんですか!!」 「わかる必要はないわ」 姉さんは再び歩き始める… 俺は静かに抵抗した… 「…………」 「…………京太」 「どうして…そんなひどいことを言うの?」 「…………」 「俺だって…宇佐美さんに言いたいことが…」 そうだ… 女の子に先に告白させておいて返事も返さずに帰る訳にはいかない… 「……あんたも…諦めなさい…」 「それは…姉さんが決めることじゃない…」 「人を知らないあんたが決めることでもないわ」 「……どういうこと?」 「また…あんたをあっちに戻すわけにはいかないのよ…」 「だからどういう…………っ!」
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