お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

20/26
前へ
/226ページ
次へ
「姉さん…」 「…………」 姉さんがこんな風にしてくるのは初めてだ… 俺はどうしたらいいかわからなかった… ただただ…黙って抱きしめられていた… 「…………」 「…………」 いつまでそうしていただろうか… やがて姉さんは…俺から静かに離れて… 「私はね…京太のことを常になんだかんだ気をかけていたの…」 「……?」 今までのことを話してきた 「……そうやって言うと少し重いように感じるかもしれないわね…」 「い、いや…いつも姉さんには守られてきたし…」 小さい頃から…ずっと… 「京太が誰かと付き合うこと自体は私にとって嬉しいことだわ…」 「え?」 そうなの? てっきり俺が誰かと付き合うことを反対してるのかと思ってた 娘を嫁にくれと言われた親父的な… 「でもね…」 「…………」 俺は黙って姉さんの言葉を待った 一体なにがダメだったのだろう… 「千代ちゃんが告白したときね…彼女多分…焦ったんだと思う…」 「………焦った?」 「京太が他の女の子に取られると思ったのよ…きっと」 「そ、そんなわけないよ!」 俺そんなモテるやつじゃないし… むしろ普通というか…周りの人にはあまり関わってないし… 情けない話だけれども… 「私にはまだわからないけど突然告白するってことはそう思ったんだと思うわ…恋をすると何気ないことが焦る原因になったりするもんなんじゃないかしら?」 「…………」 「千代ちゃん…その日何か様子が変だったとかはなかった?」 「……あったかもしれない」 たしかにあの日は宇佐美さんはいろんな意味で変だった… 「京太が付き合うことは姉として嬉しく思うわ…でもね…ずっと…京太のことを見てきたの…」 「…う、うん」 「もう二度とあなたが苦しむ姿を見たくないの…」 「あ…」 そうか… そういう…ことか…
/226ページ

最初のコメントを投稿しよう!

662人が本棚に入れています
本棚に追加