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「ほら、行ってきなさい」
ドンと肩を押される
「…………うん!」
俺は制服のまま玄関に向かった
「京太!」
「………?」
振り返ると涙を目元に浮かべた姉さんがいた
そして…
「フラレたら私が慰めてあげるからどーんと行ってきなさい!」
美しい笑顔でそう言った
いつもの姉さんの励ましだ…
「その必要がなくなっても泣かないでね?」
「……ふふっ、言うようになったじゃない」
「……へへっ…ありがとう…いってきます!」
玄関を出ると丁度母さんと鉢合わせた
「あら?京ちゃん制服のまんまでどこ行くの?」
「告白しにだよ、母さん」
「…ほんとに!?」
「うん!いってきます!」
そう残して俺は走り出した…
伝えるんだ…今日…絶対に!
……………………
…………
……
「ふふふっ、青春ねぇ~」
「…………」
「美春、あの子は勝手に…大きくなっていくものなのよ?」
「そうみたい…」
「まだ心配?」
「あたしはもう心配するの飽きたわ…残りは千代ちゃんに任せる」
「あら…千代ちゃんっていうのね…可愛い名前ね」
「ものすごく可愛いわよ!」
「ふふっ、いい顔するじゃない…美春…」
「え?」
「あなたも恋人くらい見つけなさいよ」
「お、お母さん…」
「さぁ、ご飯にするわよ…京ちゃんがいないんだから美春が手伝いなさい」
「えー…ふふっ、りょーかい」
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