お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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「……………」 あがった息を整える… いるわけはないと思ってもとの場所に戻ってきたが…案の定宇佐美さんはいなかった… 家に行こうか… でも…それは迷惑なんじゃ… どうしよう… 宛もなくその辺をさまよっていると… 「あ……」 ここは… 初めて宇佐美さんと出会ったところだ… 宇佐美さん……ここで不良たちに絡まれてたんだっけ… そこで俺がなし崩しに助ける形になっちゃって… 2ヶ月とちょっとくらい前のことなのに… すごく昔のことに感じる… 思えばあのときから… 「好きだったのかもしれないなぁ…」 いつからかは自分でもわからない… 迷ってる場合なんかじゃないや… 迷惑なのは承知で告白するんだ… 今更いくつ迷惑を重ねたって同じことだ 今から向かおう…宇佐美さんの家に… そう決心して俺は久しぶりに裏路地へと足を踏み入れた… …………………… ………… …… 暗い… 久しぶりに感じるこの暗さ… こんなに暗かったっけか…? 最近は宇佐美さんたちと楽しく話しながら帰っていたから… こんな薄暗い近道を通ることなんてなかった… この見慣れていたはずの暗さも忘れてしまうほど… それほど…宇佐美さんたちといるのが当たり前になっていたんだ… それほど…昔の自分なんか忘れてしまうほど楽しかったんだ… たくさん笑った… 何度も助けられた… 今度は… 彼氏として… 宇佐美さんの彼氏として… 隣にいたい… …………………… ………… ……
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