お互いの気持ちっ!恋と恐怖はどちらが勝つか…

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……路地を抜けた この公園を突っ切るとすぐに宇佐美さんの家だ… 一歩一歩…ゆっくりと公園を横切っていく… つもりだったのだが… 俺はすぐに足を止めてしまった… なぜならそこに… 宇佐美さんがいたからだ… 「…………グスッ…」 宇佐美さんは公園のベンチに座って泣いていた… 別れてからそうとう経つのに… もう日も沈みかけているのに… 彼女は未だに涙を流していた 「…………」 そんな彼女を見て俺は… 思わず顔をほころばせてしまった… 傍から見たら不謹慎極まりないだろうけど… でも俺は嬉しかった 別れてから今までずっと泣けるくらい想われてたなんて… そう思ったら顔が自然と緩んでしまう… こんなに想われていたのに今まで気づかなかったなんて… もしかしたら自分は鈍感なのかもしれないな… さて…… もう決心はついてる… 行こう… 「………宇佐美さん…」 俺はなるべく優しく声をかけた… 「……っ!!」 バッと素早く宇佐美さんは俺の方を見てきた 「……え?……き、京太くん?」 宇佐美さんは泣きはらして真っ赤になった目をまんまるにして俺のことを見つめてきた… 「…え?…や、やだ…嘘…!」 そう言って目をゴシゴシとこする… 「き、京太くん…ち、ちょっと…今は私のこと…見ないで…」 泣き顔を見られたのが恥ずかしいのだろう やがてしばらくして落ち着いたのか…俯きながら聞いてきた 「ど、どうして……?」 「どうしても…伝えなくちゃならないことがあるから…」 「…………」 俺の…気持ちを…
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