初デートっ! デートって…何したらいいんだ?

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「まぁ、千代ちゃん…そういうことだから」 「……え?」 どうやら話は終わったみたいだ 「そんじゃーねー、私は先帰るわー」 「ち、ちょっと…ま、待ってください!!」 「あら?なにかしら?」 千代が去る姉さんを引き止めた 「あの…怒ってないんですか?」 「あぁ、あれは演技よ」 「「え!?」」 この発言にはさすがの俺も驚いた 千代と声がハモっちゃうくらいに 「少し刺激があったほうが付き合うにしてもなんかドラマみたいでいいでしょ?」 「え…で、でも…とてもそんな風には…」 「あら?見えなかったかしら?」 演技…だったのか? 「や、やっぱり…演技には…見えなかったです…美春先輩…ほんとは…」 「そういうことにしておいてくれない?」 「…え?」 姉さんが千代の言葉を遮ってそう言った 「まぁ、怒ってないといえば嘘になるわねー」 「っ……」 「感情的に動くと何するかわからない部分もあるし…まだまだ京太のこと全然知らないっていうのもあるし…」 「…………」 千代は黙って俯いている やっぱり堪えるのだろう… でも、俺は黙って見届けることしかできなかった… 昨日の姉さんが言っていたことは本当だし、今言っていることも正論だからだ… 「でもね…信じてみようと思うの」 「……え?」 千代はゆっくりと顔を上げる 「大切なのは京太の気持ち…いくら私が横からどうこう言っても京太自身の気持ちが一番だから……そうは思わない?」 「は、はい!思い…ます…」 「いつまでも弟のことに姉が首を突っ込んでたんじゃ京太のためにも自分のためにもならないって…昨日そう思ったわ…」 「姉さん…」 「だからあなたを信じるわ…京太に必要なのは私じゃなくてあなたなのよ…きっと」 そう言って姉さんは千代に向かってウインクをした 姉さんは身を翻しドアまで歩いていく 「あ、そうそう」 しかし途中で足を止めた 「今朝鍵を開けておいたのは私だけど千代ちゃん、不法侵入はダメよー」 「……っ!!み、美春先輩だったんですか!ドア開けておいたの!」 「そうよー開けておけば入ってくるんじゃないかってね」 それだけ残して帰っていった なにもかもが一枚上手の姉であった
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