父、襲来っ!「帰ってきたぞー!」「自己主張激しいね…」

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「……私の仕事は…世界中を写真を撮って周っているんだ まぁ、こういう仕事だから危険なところにも行くことが多くてね…何度か死にかけた経験があるよ… それでね…世界中を飛びまわるわけだからあまり日本の家には帰って来れないんだ… 昔からこの仕事をしてるから京太の母には1人で京太を育てていたんだ」 なるほど… 「そ、それで…どうして再婚を…?」 お母さんの方から切り出したのかな…? 「うん…私が写真の世界で大きな賞を取ったときね… 母さんは死んでしまったんだよ」 「……え?」 し、死んだ…? 「病気でもなんでもなくただの交通事故だ… 買い物の途中だったそうだよ 私はちょうど日本に帰っている途中だったから…そのまますぐに病院に行ったけど…ダメだった 保育園から京太も来て…大泣きしてたよ… 私はその時思ったね…なんて人の命は脆いんだろうって… 一生懸命京太を育ててきた人がなくなるなんて…なんて残酷なんだろうって… その場にいてやれなかった私は母さんにすごい罪悪感を感じたよ」 「…………」 そっか…そんなことが… 今日の観覧車の時泣いてたのはお母さんのことを思い出してたのかな…? 「まぁ、そこからは写真を撮る仕事を休んでずっと京太のそばにいることにした 写真でとった賞のお金が入っていたから仕事は休んでも暮らせていけたが… 母がいなくなったショックは京太にとってものすごい大きいものだったみたいだ… そりゃあ、幼くして母を失ったらそうなるのは当然だろう… そこで母さんが京太を育てるとき何をしていたのか色々調べたりした… 母さんの知り合いに同い年くらいの女の子がいたものだから…その子と遊ばせたりもしたよ… その子の母さんはたくさん心配してくれて…快く引き受けてくれたんだ…」 「幼馴染のその子は…今は?」 「それは…わからない…きっと今は…」 そこで少し言い淀んだ… 「え、えっと…どうしたん…ですか?」 「いや、あまりいい話じゃないからね…続きを話そう… そうやって育てて…まぁ、いろいろあって…今の陽菜さんに出会ったというわけだよ… あまり面白い話でもないし…それに母が亡くなった後のことは京太に聞くといい… 京太の性格は知っているね?」 「はい…対人恐怖症みたいなやつですよね…?」 「そう…それは本人から聞くといい…」 なにが…あったんだろう…
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