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「さぁ、さて…話が長くなってしまったね……実はここからが本題だ…」
「……?」
私は思わず首を傾げた
え?このことを話してくれるために呼んだんじゃなかったの?
「千代ちゃん…京太のことが好きかい?」
「え!?」
突然の質問に驚きをあらわにしてしまった
「……その…先ほども言いましたが…京太くんは私にすごく気を使ってくれて、優しくて…それ以外にもたくさんいいところがあって…ずっと一緒にいたいって思うから…その…」
私はここでいったん言葉を切る
お父さんの表情を確認すると…黙って目を閉じて聞いていた
「…………」
「だから…好きです…。」
「そうか…」
一瞬の沈黙…
「けれどね…所詮君たちは高校生だ…高校生のカップルが長続きするなんてあまり聞かないだろ?」
「……?」
なんで…そんな話を?
「一緒にいてわかると思うけど京太は普通の…というか周りの高校生とは違って性格に問題がある…人見知りだと思えばその程度だが…」
「それは…わかります…」
いろいろ…あるんだもね…
「……さっきも言ったとおり私は再婚している…もちろん今の妻は好きだ…けれど前の妻が好きじゃなかったわけじゃない…君のことを悪く言うつもりはないが…君にも京太と同じくらい…あるいはそれ以上好きになる人ができるかもしれない…」
「………!?」
そんなの…ありえない…
「今はありえないと思ってるかもしれないが…君たちはまだ高校生だ…これから長い人生の先で少なくともそういう可能性はある…そして…それは京太も同じだ…」
京太に他に好きな人…?
そ、そりゃあ…私なんかよりも可愛い人がいて…もっと京太のこと理解してくれる人がいるかもしれないけど…
「だから…長く関係を続けようなんて考えないで欲しい…」
そんなこと…そんなの…
「そ、そんなの…嫌です!」
「…………」
私は少し声を張り上げた
だって…離れるなんて考えられない…来るかわからないそんなことを心配…
「……よ、余計な…お世話です!」
「……!!」
……あ
「あ、あぁぁ!い、いや!そ、その…!ご、ごめんなさい!」
「…………」
お、怒ってる…よね…
あああ…彼氏のお父さんに向かってなんてことを…
終わった…私の恋…
「……はっはっは!いやー、ごめんね…誤解を招くようなことを言ってしまって!!」
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