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「勉強会をします!」
ある日の昼休み…庭園さんが声高らかにそう宣言した
「え、えーっと、どーしたの?有栖ちゃん…」
突然大きな声を出した庭園さんに困ったような顔をする初城さん
この前のことからいつものメンバーに初城さんが加わるようになった
もともと庭園さんをはじめそれぞれは(俺を除き)かなりフレンドリーな方なのであっという間に仲良くなり今では一緒に昼ごはんを食べ談笑する仲にまでなった
さ、さすがだ…
友達いない歴が長かった俺にはそれが出来る初城さんをある種尊敬のまなざしで見た
「……京太、なに目細めてるんだ…気持ち悪いぞ?」
気持ち悪いってなんだ、親友
ガラスハートなんだから…粉々に砕け散るだろうが
「で、なんで急に勉強会?」
「期末テストに向けて勉強よ!」
あー、そういうことか
「ふふ、たしかに有栖、成績悪いもんねー」
「こら!そこ!上品な笑顔で笑うな~」
そっか、夏休み前に期末だもんね
「でも、一体何で急に?」
「あー、それはね…」
俺が疑問を投げかけると代わりに凪が答えようとする
すると…
「ちょ、ちょっと、凪…ま、待って」
「なに?有栖」
「よ、余計なことは…言わないでよ?」
「余計なこと…あー!前回のテストはほとんどが赤点スレスレもしくは赤点だったってこと?もちろん言わないよ!」
「……あぅ~」
「「「…………」」」
俺達三人…絶句
そして凪よ…お前は悪魔か?
「それほんと?有栖…」
千代が哀れみの目で見つめながらそう問う
「……は、はい…お恥ずかしながら~……凪のバカっ…」
「と、とりあえず…有栖ちゃんの赤点を回避しないと夏休みは補講が入っちゃうよ?」
「だから勉強会をしようって…」
「要するに有栖の勉強をみんなで見てあげようってことね」
「皆様お願いします~!」
土下座しそうな勢いでお辞儀をした
俺はそう思いながら唐揚げを口に放り込んだ
あ、俺…空気…
「じゃあ、場所は京太んちで!」
「「「りょーかーい!」」」
「な、なんだと!?」
いつの間にか話が進んでた!
と言うかなぜ俺んち?
「では早速今日から行きまっしょい!」
「「「おー!」」」
「また進んでる!」
こうして勉強会もとい庭園さんの学力底上げ会が始まった
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