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千代視点…
「…………」
京太が出ていったドアに目線をおいて考えていた
もしかして自分には魅力がないのではないか?
すぐに私を頼ってくれないし…なんだかんだ気を遣われてるし…
さっきだってお姉さんとはいえ彼女の私がいる前で美春先輩と仲良くしてるし…
あ、有栖とだって勉強中にいろいろ教えたり教えられたり…楽しそうだったし…
手伝いの件に関しても私じゃなくて初城さんを選ぶし…
…………
はぁ…
「……はぁ…」
「ねぇ、凪…千代どうしたの?勉強そんなに疲れた?」
「うーん…薄々はわかるけど…」
「まぁ、恋愛中の女の子には絶対あることよね…このまま見てましょう?おもしろいから♪」
……はぁ…
一体どうしたら振り向いてもらえるんだろうか…
なんか…付き合う前の京太のことを追いかけてた時のほうが新鮮だったというか…
今じゃ…なんだか京太の一挙一動が私を不安にさせてる…気がする…
付き合ってから…京太はどんどん明るくなった…
クラスの人たちとの会話のときも…どもったりしてないし…
私達以外にも知り合いが増えてるみたいだし…
京太が教室にいない時とか…他の女子が
「ねぇねぇ、奥田くんってどんな感じなの?」
とか…
「この前授業中にメガネかけてるとこ見たんだけどかっこいいね!なんだか千代羨ましい!」
とか…
「結構周りに気が利いたりするから奥田くん意外と女の子から人気なんだよ?うかうかしてると取られちゃうぞー?」
とか…
いろいろ私に言ってきてくれる
ひとえにからかわれてるだけなんだろうけど…でもそう思われてるんだって思うと…
なんだかずっと手元に置いておきたくて…
でも京太は今みたいに意外とつかめないところがあって…
気を利かせてくれてるんだろうけど…
逆効果っていうか…むしろそばにいて欲しいっていうか……
そういうところが微妙にわかってない…
いや、わからせなきゃダメなのかもしれない…
こうしてる今ももしかしたら初城さんと…い、いい感じの雰囲気に!?
いや、そんなはずは…そんなはずは…
う、うぅー……
「うぁー…」
「……頭を抱え始めたねぇ~」
「あいつこんなに想われてんのか…ある意味で罪なやつだな…」
「姉の私から言うのも何だけど…京太ってそんなに魅力ある?」
うぁー……
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