夏休みっ!……の前にテストです

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なんか… ものすごく…お似合いだ… 2人がお互い気を遣い合って 一緒に笑い合ってる… なんか…夫婦みたい… 私と京太は…お似合いって言われたこともそう見られたこともない… 凪くんと有栖は美男美女だねーってよく言われてた… 容姿なんかでお似合いだねって言われることはおろか… 私達は性格というか内面的な部分でも言われたことはない むしろ意外がられた… 「えー!千代、奥田くんと付き合うことにしたの!?」 とか…大体の人に驚かれた なんで?そんなに変なこと? 驚くようなこと? 私と京太じゃ釣り合わないってこと? でも…今なんとなく…どうして驚かれたかわかった気がする… 私…自分勝手すぎる… 今も…付き合う前も… どうやったら振り向いてもらえるか… 一緒に隣にいたい… 京太を私のそばに置きたい… 離れたく…ない… 最初は普通に恋をした… それが叶った… それから私は…いつの間にか傲慢になった 泣いて困らせたこともあった 気を遣われたことなんて何度もあった 私のワガママは…全部聞いてくれた… 私…京太に頼られたこと…ない… 私が…京太を振り回してたからだ… 私が…あまりにも自分勝手だからだ 「千代?ほんとに顔色悪いよ?」 「…………」 いや、例えそうだとしても…京太なら…受け入れてくれる… 京太なら…大丈夫… だって…恋人だから… 私の彼氏だから… 「……千代…今日は帰る?」 「……え!?」 「なんか今の千代…見てられないよ…」 「っ!!」 見て…られない? 見てくれないの? ………… 「……千代ちゃん、ほんとに大丈夫?」 初城…さん? ……っ! 私は静かに荷物を用意した 「わ、わかった…今日は帰るね」 「うん…そうした方がいい…荷物持つよ」 「ううん…いい…」 「え?…じゃあ、家まで送ってくよ」 「いい…」 「え?でも…」 「……優しく…しないでよ」 「え…」 「…………お邪魔しました」 そう言って私は… 目に浮かべた涙をこぼさないように… 京太の部屋から静かに出ていった…
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