夏休みっ!……の前にテストです

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翌日…朝… 私はソワソワしながら京太の家に向かっていた… うぅ…いつもなら今日も京太に朝から会えるってワクワクしてるのに… 昨日のことがあったから落ち着かないよ… 会ったらどんな顔すればいいの? うぅ… 「はぁ…」 深く大きなため息をついた 私の家と京太の家はさほど離れていない 鬱な考えをループさせているうちについてしまった… 「あ…ついちゃった…はぁ…」 一つため息… 私はインターホンを押す勇気が出なくてよりいっそう落ち着かなくなった そういえば迎えに来た初日もこんなふうに落ち着かなかったっけ… 今日とは理由が違うけどね… あぁ…どうしよう… 手櫛で髪を整える… 手鏡を取り出して中を覗くとそこには酷く暗い顔をした女の人がいた… うぅ…変な顔がますます変な顔になってる… こんなんじゃ京太に愛想つかされちゃうよ… パンッパンッ!! 手で顔を強く叩いた こんなんじゃダメだ! 昨日のことは忘れるって決めたじゃない! また思い出したらその時答えはきっと出てるはずって! だからその時まで封印するって! 京太は昨日のことなんて気にしてない! …そう、気にしてないよ 気にしてない… 気に…して… 「ああああ……」 くだらない考えでブンブンと頭を左右に降っていると… ガツッ… ピンポーン♪ 「あ…」 …………… 「またやっちゃったぁぁぁぁ」 ど、どうしよー! どんな顔すればぁぁぁ… 「あ、…千代…おはよ!」 そんなこんなで京太が出てきてしまった 「あ、その…お、おはよう…」 「千代、昨日は様子が変だったけど大丈夫だった?」 「え、あ、う…」 「調子悪いなら学校休んでもいいんだよ?」 「あ、い、え…」 「千代…さっきから『あ行』しか言ってないけど?」 「だ、だい…じょぶ…」 「んー?ならいいけど…」 ガチャッ… 「じゃあ、行こっか」 「……うん」 いつもの京太だ… 京太が普通なことが…少し安心で…少し悲しかった…
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