夏休みっ!……の前にテストです

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「…………」 「…………」 何故かお互い無言… えぇ!?な、なんで!? さっき昨日のことは全然気に来てない感じの素振りだったのに! やっぱり気にしてるのかなぁ… 「あ、あの…京太?」 「ん?なに?」 「その、昨日のこと…」 「昨日…」 「うん、その…ね…やっぱり気にしてるのかなって…」 「…………」 「き、京太?」 京太は何故か黙ってしまった やっぱりほんとはすっごく気にしてるのかなぁ… また気を遣わせちゃってるのかなぁ… 「えっと…千代…昨日のことなんだけど…」 「うん…」 「あんまり、気にしてないよ?」 「えっ?」 「調子悪かったんでしょ?」 「えっ!いや、だって、酷いこと京太に言っちゃったし…」 「仕方ないよ、そういうときもあるよ」 「…………」 「…………」 そう言って京太はまた黙ってしまう… …ほんとになんとも思ってないの? だって、あんなに酷いこと言ったんだよ? 明らかに気にしてるじゃない… なんで?どうして言ってくれないの? 忘れるなんて無理…気にしちゃうよ… 京太は…また何も言ってくれない 全部自分で抱え込んじゃってる… 私は彼女なのに…昨日のことであんなに悩んだのに… なのに、京太は…話してくれないなんて… 私一人で悩んで泣いて馬鹿みたいじゃない そう思い始めたら…なんだか止まらなくなった ふつふつと心の中でなにか感情が湧き上がってきた 嫉妬なのか、怒りなのか、それはわからないけど 少なからず今の京太に嫌悪感を抱いた だから… 「もういいよ…」 「……えっ?」 「京太なんか…知らない…」 「…………」 そう…口走ってしまった 離れはしない、登校中の通学路を隣で歩く…けれど…どこか遠くにいるような そんな感じ… 今の私の一言がそんな距離を生んでしまった いけないのはわかっているけれど、どうしても我慢できなかった
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