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「それで、奥田くんはこの辺の事に詳しいの?」
「……え?…な、なんで?」
「いや、だってあんな狭い裏路地をまるで自分の家かのようにスイスイ進んでたんだもん!すごかったよ!!」
まぁ、逃げ道くらいたくさん知ってるよ……
チキンだし……
とは言えないのでテキトーに答えておく
「そ、そうなんだ……この辺のことは…結構知ってるよ……」
「へぇ!私もここに住んでるけどあんな裏道みたいなのは全然知らなかったなぁ~!」
フツー知らないと思います……
俺は死ぬ気で探して見つけたから知ってるけど……
全力で逃げ道作ってたときもあったからね……
「あ、もうこんな時間!!」
そう言われて俺も自分の腕時計を確認すると昼食時はとっくに過ぎていた
「じゃあ、私帰るね!!……それから……助けてくれて…ありがとうっ!!」
そう言って宇佐美さんは今日一番の笑顔を見せて走っていった
結局俺は最後まで宇佐美さんと目を合わせられなかったなぁ……
それにしても可愛い子だったなぁ
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