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「あら、有栖ちゃん。お久しぶりー」
「あ、お邪魔してま~す」
「そこの二人は千代の友達?」
「そうだよ、お母さん。」
「お邪魔してます、お母さん」
「いえいえ、ゆっくりしていってね」
もはや、会話など耳に入っていなかった……
体からまとわりつくような冷や汗が吹き出す
恐怖で体は震え、喉がカラカラになった
早くこの場から逃げ出したい……
でないと、どうにかなってしまいそうだ……
「奥田くん……どうしたの……?」
「京太……どうした?」
「京くん、すごい汗~」
みんなからの質問でさえも恐怖でしかない……
「ちょっと!ほんとに大丈夫……?」
そう言って、宇佐美さんが俺に手を伸ばしてきた……
怖かった……ただそれだけの行為が
つらかった……みんなからの質問と視線が……
そして……
気づけば荷物をもって宇佐美さんの手を掻い潜り玄関へと走り出した
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