悲しき過去、ひとつめっ!え?てことは、二つ目もあるの?

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「中学一年生のとき…… まぁ、中学校の頃だから周りの小学校から上がってくるやつらばかりで知らない人は殆どいなかったんだけど…… そこで俺は京太と出会ったんだ 最初の印象は なんだこいつ って感じだった 今の京太はオドオドこそはしてるけどきちんと話には対応してくれるだろ?」 「……うん」 そうだ……そこも気になってた…… 会ってからもう幾度も会話したけれど目を会わせてくれたことは一度もなかった…… 「昔の京太はそれよりもっとひどくてね…… 窓側の一番後ろの席だったんだけどあいつの席だけ周りからものすごい離れてたんだよ 机には突っ伏した状態で小刻みに震えたりなんかもしててね……」 確かにそんな状況を見たらなんだこの人って思うかも…… 「でも、なぜか気になってさ…… っていうのも、殆ど知り合いの中知らない人がいるって言うのが俺の中ですごい嫌でさ…… 思いきって声をかけてみたんだよ…… そしたらさ……」 そう言って片平くんは少し言葉を止めた…… 言うか言うまいか迷っているみたいだった…… やがて口を開いて…… 「……その、…………声をかけたときにさ……小刻みに震えてた体がピタッて止まってさ…… ものすごい怯えた顔で俺のことを見たんだ…… まるで……やられる寸前の草食動物みたいな感じでさ…… こっちからしたらなんでそんな顔されなきゃならないんだって感じだけどね……」 アハハと片平くんが力なく笑った きっとなんでそんな顔で……そんな怯えたのか……理由を知ってるから だからさっき……言い淀んだんだろう…… 「それで話しかけて会話しようと思ったら…… 突然机に突っ伏して無視し始めたんだよ…… あのときはすごいショックでさ…… でも、絶対話しかけてやるってそのとき決めたんだ……」 ……なんか…今朝までの私みたい…… 目は合わせてくれなくても……やっぱり好きだから…… もっといっぱい話したいって……
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