悲しき過去、ひとつめっ!え?てことは、二つ目もあるの?

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「……嘘…」 そう声をあげたのは有栖だった…… 有栖はかなり人とフレンドリーに接するから友達のことはひどく扱わない 有栖がそんな話を聞いたらこうなってしまうのも無理はない……かも…… 「ありとあらゆる暴言が刻み込まれてたよ…… あることないことかかれてひどかったね 俺はともかく京太はもっとひどくて…… もうやめてくれって…… そう思ったけど口には出さずに…… って感じだった 俺はクラス中の奴らを睨んで力の限り声をあげて これをやったのは誰だ! って……怒鳴り散らしてやったよ 当然誰も名乗り出るものなんていなくて…… その状況がさらに腹立たしくて…… コソコソやらないで俺の前に出てこいよ! ってもう一度、今度は前よりも強く語気を荒げて叫んだらさ…… その場にいる殆どのやつらが手を挙げたんだよ……」 ……嘘……ひどい…… そんなことって……あるの……? 有栖はすでに嗚咽が出るほど涙を流している 「流石にその状況には驚いてのけぞったよ…… そんなことしなさそうな奴でさえも手を挙げてたんだから…… そしたらそんなかから一人出てきて…… 俺らはこいつに無視された 怯えられもした 俺らはただ話しかけただけなのに そのくせ片平とだけは楽しそうに話しやがる そんなふざけた姿見てたらこんなこともやりたくなるだろうがよ! そいつとつるんでる片平もムカつくんだよ! だって…… 俺のことはどうでも良かった…… ただ京太のことを悪く言われるのは耐えきれなかった…… そうして俺が怒りに任せてそいつをぶん殴ろうと拳を握って歩きだそうとしたら……」 片平くんは大きく静かに息を吸った
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