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「君、ひょっとしてS高校?」
「あ・・・はい」
「もしかして、前に会ったことあるかな?」
「はい!高瀬、菜緒子です。・・・あの、覚えててくれたんですか?」
「あの時の子だよね?そっかぁ、うちの予備校来てくれたんだね」
「はい。」
「また、分からないことがあったら気軽においで。
数学は、苦手意識がなくなればかなり楽になるはずだよ」
「ありがとうございます!」
まさか彼が覚えていてくれるなんて。
ささやかな感動を胸に、チューター室を後にした。
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