第2章 再会

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「で?今日の菜緒子は何があったの? 学校では普通だったのに、予備校来てからずっとニヤニヤして」 予備校帰り、あまりに上機嫌な私に桜が尋ねる。 どうやら雨宮さんとの再会が嬉し過ぎて顔に出ていたらしい。 去年の話と先ほどの再会の話をすると、桜が目を丸くする。 「そんな偶然ってあるんだねぇ。なんて人?私も今度行っちゃおうかなぁ」 「雨宮さんだよ。色が白いけど、運動やってますって感じの人」 「へぇ。で、しかも数学教えるのが上手いんだ。完璧だね」 「でしょ?毎日聞きに行っちゃおうかなぁ。 そしたら仲良くなれたりしない? あ、でも彼女とかいるのかなぁ。 いたら大切にしてそうだから無理だよね?」 「はいはい。とりあえず数学がんばれってみれば? そしたら接点増えるでしょ。」 その後も桜に流されながら妄想に近い想像を膨らませ、その日は桜と別れた。
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