第2章 再会

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その日の放課後。 私は早めに予備校に行き、チューター室に向かった。 でも、残念ながら雨宮さんは他の子に勉強を教えているところだった。 少し待ってみたが、いっこうに終わる気配はない。 時計を見ると、授業まであまり時間がない。 授業後にもう1度来ることにして、私は仕方なくチューター室を後にした。 授業が終わると桜がやってくる。 「それ、どうしたの?」 「ここに来たときからあった。忘れ物かな」 ギリギリに教室に入った私は、ドアに1番近い席に座った。 そして、机の隅にあった黒い時計を見つけたのだ。 その時計は、誰もが知っている有名なカジュアル時計だった。 しかし限定物のアナログ時計らしく、初めて見るデザインだった。 数字は全て漢数字。 文字盤の外、拾弐の上と六の下には、戌と寅の文字が入っていた。 「私、帰りにチューター室寄って行くから、落とし物も届けてくるよ」 「そっか。雨宮さんに報告だっけ?ちゃんと褒めてもらいなよ」 「・・・っ。分かってるよ」 自分から話題にしたくせに、雨宮さんの名前を聞くとドキッとする。 しかも褒めてもらえって・・・・雨宮さんから見たら大した点数じゃないのに。
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