第2章 再会

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そんな気持ちを隠すように、そそくさと桜と分かれて目的の部屋に向かう。 そっと部屋を覗き込むと、チューター仲間と談笑する雨宮さんの姿が見えた。 普段は見られないリラックスした表情にドキンと胸が鳴る。 気持ちを落ち着かせて部屋に入ろうとした瞬間、雨宮さんと目が合った。 慌てて会釈をすると、爽やかな笑顔でこちらに向かってくる。 「質問?誰か呼ぼうか?数学だったら・・・」 「あ・・・あの、雨宮さんに・・・」 「僕?」 「は、はい。・・・あの、この間はありがとうございました! お陰様で、この間の中間試験の数学、良かったです!」 「ほんとに?何点だったの?」 「78点・・・なんですけど、前回40点だったので、かなり上がったかと・・・」 緊張しながら、精一杯それだけ言うと、雨宮さんが柔らかく笑う。 「そっか。頑張ったね!」 「いえ、雨宮さんのお陰です。あの時教えてもらった解き方でやったら、かなり分かるようになりました」 「そんなこと無いよ。僕はヒントを教えただけ。 解けるようになったなら、それは高瀬さんの努力だよ」 雨宮さんはきっと頭が良いから、78点が良い点数なんて思わないだろうけど、あくまでも私の努力を認めてくれる雨宮さん。 優しすぎる!
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