第3章 急接近

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「いや、その、デートじゃないし。私別に好きとかじゃないし」 「え?違うの?だって、いつも嬉しそうに話してるじゃん」 「いや・・・別に好き、とかじゃなくて。 ただ、懐かしい人に会えて嬉しいんだよ。 ほら、年上のお兄さんにかまってもらってる、みたいな?」 「ふぅん・・・好き、ではないんだ」 私の焦りを見透かすように、桜は疑いの眼差しを向ける。 「そうそう。憧れ?みたいな? それに、雨宮さんだって、きっと可愛い彼女がいるよ」 気にはなってるかもしれないけれど、好き、ではない。 そもそも、まだそんなに話したことが無いのに、恋愛感情なんて持つわけない。 私は、まるで自分に言い聞かせるように呟いた。
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