第3章 急接近

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「お待たせ。ごめんね。試験の回収に時間かかっちゃって」 「いえ。私もさっき来たばかりですから」 雨宮さんが来たのは、それから15分ほど経った頃だった。 挨拶もそこそこに、お店に向かう。 雨宮さんが連れてきてくれたのは昔ながらの小さな喫茶店で、どこか懐かしい感じがした。 「ここのショートケーキはかなり美味しいんだけど、菜緒子ちゃんはもっと明るくておしゃれなお店の方が良かったかな?」 「いえ。すごく懐かしい感じがして、こういうところ好きです。」 「良かった。じゃあ入ろうか。」 店内には、ジャズが流れていた。 中ほどの席に座りメニューを開く。 種類はそれほど多くないらしい。 ショートケーキにチーズケーキと、王道のケーキが数種類。 それに、コーヒーと紅茶だけだった。 「菜緒子ちゃん、何にする?」 「じゃあ、オススメのショートケーキで。」 「OK」 おばさんが注文を聞きにくると、雨宮さんがショートケーキと紅茶のセットを2つ注文してくれた。
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