第3章 急接近

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帰ってからは、母から散々なお説教を受けた。 その間、私は平謝りをしながら、次回はどうやって誤摩化すかばかり考えていた。 ようやく母のお説教が済むと、私は雨宮さんに御礼のメールを送った。 打っては消し、読み返しては書き直し・・・を繰り返し、 ようやくメールを送ることが出来た頃には30分近く経っていた。 『こんばんは。高瀬菜緒子です。 今日はありがとうございました。とっても楽しかったです。 また良かったら誘って下さい。 菜緒子』 簡潔すぎるかと思ったが、他に何を書いて良いかわからなかった。 雨宮さんの気持ちがわからないし、元々絵文字もあまり使わない。 唯一の絵文字は、デフォルトの署名に入っているものだった。 これも消そうか悩んだけれど、絵文字が無さ過ぎるのもどうかと思い残しておいた。 代わりに、名前の下に、私のアドレスと電話番号も添えておいた。
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