第3章 急接近

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「なーおこっ!お弁当たーべよっ!」 月曜日の昼休み。 桜がウキウキしながら私のところにやってきた。 その声に、ハッと現実に引き戻される。 土曜の夜にメールをした後、雨宮さんから返事が来ることはなかった。 やっぱりケーキはお礼で、アドレスを教えたのは気まぐれだったのかもしれない。 少しだけ期待した自分が馬鹿みたい。 雨宮さんが自分みたいな子どもを相手にしてくれるわけないのに・・・。 梅雨の陰鬱な空を見上げながら、私はぼーっとそんなことを考えていたのだ。 重い気持ちの私とは反対に、目の前の桜は土曜日のことを聞きたくてうずうずしている。 どうせこの先は無いだろうと思い、私は淡々と話した・・・つもりだった。 「ふーん。もう、好きになっちゃってるんじゃん」 「・・・!ちょっと、何言ってんの!」 「だって、なんだかんだでメール待ってるんでしょ?」 「それは・・・年上の人にかまってもらって嬉しかったし。だから・・・」 「はいはい。・・・明らかに好きそうなのに」 「違うって!」 桜は、しどろもどろになった私を楽しそうにからかう。
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