第3章 急接近

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「ふぅん、いい感じじゃん? やっぱりむこうもデートしたいんだね。 いいじゃん、いいじゃん」 「と、とにかく、返信打たなきゃ!」 慌てて返信する私を、桜がしたり顔で見ている。 桜は去年、年上の初彼が出来てから、やたらとアドバイスをしてくれる。 彼女なりの惚気なのかもしれないし、 彼氏が出来た私と、デートのことや、 彼氏がいないと出来ないような話をしたいのかもしれない。 とにかく、ニヤニヤと見つめる彼女の視線を無視して、私は文章を考える。 『雨宮さん、お返事ありがとうございます。  来週の日曜日、空いてますのでぜひ連れて行って下さい!  菜緒子』 よし、これで良いかな。 送信ボタンを押すと同時に、桜が口を開く。
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