第4章 はじまり

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それから約束までの2週間。 私と雨宮さんはたくさんメールをした。 話題は雨宮さんの大学生活や、音楽、趣味の話など色々だ。 少しずつだけれど確実に、雨宮さんのことを知っていっている。 雨宮さんは、I大学の4年生。 今は先生になるために、教員採用試験の準備をしているらしい。 数学の面白さを学生達に教えたいんだって。 I大学は最難関大学の1つで、私にとっては憧れの大学だ。 だからか、雨宮さんは大学生活の楽しい話をたくさんしてくれる。 そして必ず、「菜緒子ちゃんも頑張って、I大においで」と言ってくれる。 まだまだ偏差値が足りない私なんかが合格出来るか分からないけれど、 雨宮さんの一言で、単純な私は頑張ろうって思える。 数学嫌いも克服させてくれたし、 やっぱり雨宮さんは教師に向いてるんだろうな。
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