第4章 はじまり

10/17
前へ
/485ページ
次へ
「別に今すぐじゃ・・・」 いやだ。 本当は、桜にも否定していたけれど、認めたくなかったけれど、 雨宮さんが好きだって分かってた。 もっと知りたい。そばにいたい。 断る理由なんて・・・無い。 黙っていることが否定に取られたりしたら、 絶対に、いや。 「あのっ、私も好きでした! よ、よろしく・・・お願いします!!」 私は急いで、この気持ちを伝える。 答えるのに精一杯で、雨宮さんを見る余裕は無い。 本当は、もう、付き合って、と言われた後から 雨宮さんの言葉が頭に入っていない。 「・・・・」 ようやく顔を上げると、 そこには顔を赤くして、照れ笑いを浮かべる雨宮さんがいた。 「・・・じゃあ、よろしくね。」 「はい」 「あ、でも、一応予備校では黙っててね。」
/485ページ

最初のコメントを投稿しよう!

88人が本棚に入れています
本棚に追加