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きょとんとした私に、どこか警戒の色が浮かんでいたのか、男性はニッコリ笑って自己紹介を始める。
「そんなに警戒しないで。僕はここのバスケ部のコーチをしている雨宮です。
コーチと言っても臨時だけど。
普段は体育館にいて、今は、来週から始まる教育実習の練習をしたくて適当な教室を借りただけ。
驚かせてごめんね。」
私は改めて雨宮さんをまじまじと見つめた。
どちらかと言えば高めの身長に、軽々とボールを掴みそうな大きな手。
甘めの、どちらかといえば童顔な顔の中に隠れる、意思の強そうな目。
イケメンとは言えないまでも、私好みだ。
知らない男の人と2人きり、というのは微妙だけれど、私はもう少し彼と話してみたくなった。
「じゃあ、授業、聞かせてもらえませんか?」
「いいの?じゃあ丁度1年生の授業をやるし、付き合ってもらおうかな」
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