第2章 再会

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あれからあっという間に季節が過ぎ去り、気付けば高2になっていた。 私は春から予備校に通い始め、少し忙しくなった。 「菜緒子、今日、どうする?」 授業が終わり、桜が声をかけてきた。 桜は中学の時からの親友で、今は予備校も同じなので、 放課後は桜と一緒に時間を潰して予備校に行くのが習慣になっている。 「あー、ごめん、今日チューターさんのとこ寄ってくからこのまま行くわ」 「そっかぁ。ついに数学がやばくなった?」 数学が嫌いな私とは反対に、理系が得意な桜はニヤニヤしながら聞いてくる。 「そうそう。今ならまだチューターさんに聞けそうだから」 「マジかぁ。じゃあ、また後でね」 予備校に着くと、チューターさんの控え室に向かう。 私の通う予備校は、大学生のチューターさんが勉強のフォローもしてくれる。 受験勉強だけでなく、学校の勉強も教えてくれるからありがたい。 と言っても利用するのは初めてだから、ちょっとドキドキする。
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