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「……っ天誅ーーーーーっ!!」
「っつ…ぐっはっっ」
見事な飛びゲリが男の腹部にクリーンヒットした。
もっと上部を狙ったつもりだったが、相手の身長が思いのほか高く、悔しいことに届かなかったのだ。
だが、目的が果たせただけよしとしよう。
「…あっ」
倒れるかと思った相手の男が倒れず、その場に踏みとどまった。
「…なっ…何すんだコラァッッッ!!」
ものすごい声で一喝されるが、彼女ー灯(あかり)はひるまない。
周りの人達ですら、男の一喝に青い顔をしているのに。
だが、ハラに据えかねているのは彼女も同じなのだ。
「そっちこそ、私の友達に何てことをしたのよ!!キズつけて泣かして、一体どういうつもり!?」
「…………」
男ー翔(しょう)は二の句がつげないでいた。
この学校は男子より圧倒的に女子が少ない。
全校生徒な2割弱しか女子がいない。
それでも女子がめずらしいわけではない。
めずらしいのはこの子、だ。
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