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樹少年は、あかりを指差し、
「お前が兄ちゃんにふさわしいか、てすとしてやるっ」
「…ぶっ…ふふ」
あかりは思わず笑ってしまった。
テストすらカタカナ変換できないようなお子さまに言われても、「遊んで!!」と言っているようにしか聞こえない。
「なっなにがおかしいんだよ!!」
どうして笑われているのかは分からないが、笑われていること自体が幼いながらも屈辱なのか、少々顔が赤い。
「まったく、この子は…ごめんね、あかりちゃん」
まったく言うことを聞かない上に、周りも見えていない幼い息子に、姐さんは溜め息しか出ない。
長男は自分勝手、次男はワガママ…すごい兄弟だな、と失礼極まりないことを、あかりは内心少しだけ考えていた。
「大丈夫ですよ。子どもの面倒見るのは得意です」
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