恋敵?

10/27
96人が本棚に入れています
本棚に追加
/68ページ
樹少年は、あかりを指差し、 「お前が兄ちゃんにふさわしいか、てすとしてやるっ」 「…ぶっ…ふふ」 あかりは思わず笑ってしまった。 テストすらカタカナ変換できないようなお子さまに言われても、「遊んで!!」と言っているようにしか聞こえない。 「なっなにがおかしいんだよ!!」 どうして笑われているのかは分からないが、笑われていること自体が幼いながらも屈辱なのか、少々顔が赤い。 「まったく、この子は…ごめんね、あかりちゃん」 まったく言うことを聞かない上に、周りも見えていない幼い息子に、姐さんは溜め息しか出ない。 長男は自分勝手、次男はワガママ…すごい兄弟だな、と失礼極まりないことを、あかりは内心少しだけ考えていた。 「大丈夫ですよ。子どもの面倒見るのは得意です」
/68ページ

最初のコメントを投稿しよう!