4人が本棚に入れています
本棚に追加
「ん…んん?あれ、私…」
確か、火事で…。
「目、覚めた?」
よく澄んだ少年の声。
私が意識を失うときに聞こえた声だ。
「あなたはだあれ?私にそっくりね」
「僕は君から見た鏡の向こうの世界から来た魔法使いだよ。
君の願いを叶えるためにここまで来たんだ」
普通なら信じられない話だが、鏡の向こうにいるのが何よりの証拠。
この話は本当…?
「願いを…?ところで、名前は何?」
「そうさ。僕はレン。君の名前を教えてくれるかい?」
優しく微笑む魔法使いと名乗る少年、レン。
「私はリンよ。それより、私の願いを叶えてくれるの?」
「もちろんさ。僕なら、この戦争を終わらせることもできる。君の病気だって治すことができるんだ」
そういわれて窓を見れば逃げ回る国民。
足を見れば、白くて細い、思うように動かせない足。
細いというのは、健康的な細さではなく、病的な細さと白さ。
白いというか、青白いがしっくりくる。
最初のコメントを投稿しよう!