保育所

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ぼくは とある日から 保育所に通うようになった。 母さんは 仕事に行く前に ぼくと弟を 保育所まで送ってくれた。 母さんが仕事に行った後は 弟とずっと一緒にいたのを 今でも覚えている。 でも 保育所にも 各組に分かれる時間がある。 ぼくは その時間まで 弟と一緒にいた。 弟が1人で寂しくならないように… その時間になって ぼくは弟の組の部屋まで 連れていった。 弟は寂しくなって泣いていたのを今でも覚えてます。 でも 組に分かれなきゃ いけないので 泣いてる弟を 慰めながら その組の担当の先生に 弟を預けました。 ぼくは 1人で自分の 組の部屋に行きました。 でも 友達は 誰もいません だから 1人でベランダのような 場所に行き 今にでも こぼれ落ちそうな涙を 我慢していました。 そんな時に ぼくの組の担当の先生が そっと近寄ってきてくれました。 先生は 「我慢しなくていいんだよ」 と言ってくれました。 その瞬間に ぼくの目から たくさんの涙が あふれ出しました。 母さんがいなくなるのは 寂しかったけど 母さんに心配をかけては いけないと思って こらえた涙。 唯一知っている 弟という存在と 離れることの寂しさで 出てきそうになる涙。 そのすべての 涙があふれました。 ワンワン 大きな声を出し 泣いているぼくを 先生は優しく抱きしめてくれました。 4人で生活を始めて 家族以外で 安心できる人を 初めて見つけた時でした。
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