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春奈がキッチンに立っている姿は、約1年ぶりに見る。
その時はお互い、いきなり2人で暮らせと言われて戸惑っていた時、春奈が何かしようと思って手料理のオムライスを作ってくれた。
そして、その時のオムライスは忘れるに忘れられない味となった…
今回はそうにならないようにとテレビを付けて祈る。
テレビを見始めて20分程経った頃、春奈が「出来たよー♪」と、ウキウキで言ったのが聞こえた。
余程、上手に出来たのか、ドヤ顔で料理を運んできた。
僕は苦笑いしながら食卓の椅子に座った。
目の前には美味しそうなオムライス。
優哉「今度は大丈夫?」
と、念のために訊いた。
訊いてもどうせ「大丈夫に決まってるじゃん!」と、頬を膨らませながら言うのだろう。
そう思っていたのだが、返ってきた言葉は「わからない」という曖昧な言葉だった。
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