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僕が着替えて、朝食の準備をしていると、春奈が2階から下りて来た。
春奈「おぉ~、いい匂い♪」
春奈は鞄をソファの上に置いたあと、食卓の前の椅子に座った。
優哉「もう出来たから。」
優哉がそう言ったが、春奈からはなんの返事もない。
気になって顔を覗かせると、春奈は机の上に手を組んで、ぼーっとしていた。
優哉「なにしてるの?」
優哉は皿によそった料理を、春奈の前に置きながら言った。
春奈「もう1年経つんだな~って思って…」
優哉「……そうだね。」
実は、春奈と優哉は姉弟ではなく、唯の幼馴染。
2人が高校1年生の春頃、2人の父親が一緒の会社で働いていて、その会社から転勤する事になり、2人の母親共々、優哉と春奈を一緒に暮らさせて県外へと引っ越して行ったのだ。
春奈「初めはどうしていいか分からなかったよね(笑)」
優哉「結局、家事全般は僕がする事になったんだけどね(汗)」
春奈「それは優哉が自分で言ったんでしょ?」
優哉「いや、春奈が最初に、『私、全く家事出来ないから優哉がやってね?』とか言うから…」
春奈「そうだっけ?まぁいいや、ご飯食べよ?」
優哉「はいはい…」
最初は、急に話を変えられたりすると、焦ってた。
だけど、ずっと一緒にいるせいか、それにも慣れた。
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