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「っそんなの、当たり前だろ」
ぶっきらぼうに、そっぽを向いて答えた須藤。
「桜庭が側に居てくれれば、俺は一生幸せを感じていられるよ」
繋がれた手に、ぎゅっと力が込められる。
今度は私が赤くなる番だった。
"一生" だなんて、まるで私がついさっきまで考えていた事と同じような内容だった。
「……クサイ台詞」
「おまっ、聞いて来たのはどっちだよ?」
「嘘、嬉しいよ。
ありがとう、須藤…」
いつまでもこうでありたいと思う。
じゃれ合い、茶化し合い、時々甘さの含んだ会話を楽しめる間柄で。
友達の延長線上みたいな付き合いだけど、それが私達にとって自然でいられるスタイルだ。
誰かさんの言葉には戦々恐々だが、二人の想いは変わらないと信じている。
いつの日か、"一生" が現実になる事を願いつつ……
(終わり)
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