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友梨さんと俺の分の蕎麦を出しながら言う快人さんにお礼を言う。
こうやって、時々もらう蕎麦で、我が家のエンゲル係数を抑える事ができて、大助かり。
うちは俺と母親しかいなくて、俺のバイト代は生活していく上では微々たる金額で、母親の収入が頼りで…
俺には言わないけど母さんはきっと頭を悩ませているはずだ。
快人さんはうちの家族構成を知っていて、だからこうして気を遣ってくれる。
ほんとありがたい。
片づけが終わって着替える。
更衣室件休憩室は1つなので、先に友梨さんに着替えてもらって、交代。
「お疲れ様でした」
「お疲れ様です。明日は弘樹くん、お休みなのね。じゃあ、明後日よろしくね」
そう言って友梨さんは帰っていった。
「あれ?明日弘樹休みか…じゃあ、今日はゆっくり休んで力貯めておくか」
俺が着替え終わるのを厨房で待っている快人さんが言う。
「すいません」
俺が頭を下げると、
「大丈夫だよ。今のは弘樹が仕事できるから、いないと大変だって事で、遠まわしにお前を誉めてみただけ。たまの休みは大切だよ。特に、好きな女に会いに行くなんてのはさ」
しっかり覚えてるじゃないか。
この前、明日の休みの理由を話して、そして、3年近くバイトしている間に俺の好きな人を白状させられてて、だから、快人さんは俺が明日をすごく楽しみにしている事も知っていて…
ほんと快人さんはこういう人。
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