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『大きくなったら、結婚してね』
俺がどんなに真剣に言っても、優ねぇにはガキの戯言でしかなくて。
『うん、いいよ』
って、簡単に聞き流された。
でも、当時の俺はほんとにいいよって言われたと思って、舞い上がってた。
馬鹿だよな、当時の俺。
さすが5歳だか6歳の思考回路。
情けない。
あの時から少し成長して、優ねぇの返事が俺の本気とは違って、子供に対するとりあえず返事しとこう、なんて事だったんだとわかっても、それでも諦める事なんてできなくて。
……幼心は伊達じゃない……
今でもずっと、いや、今の方がずっと、優ねぇに恋してる。
朝から、何を考えているんだろう、俺、恥ずかしい奴。
鏡で最終確認。
よし、今日、会えるんだ。
早く放課後にならないかな…
待ち遠しくて、仕方ない。
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