作戦

13/15
前へ
/109ページ
次へ
学食に近づくに連れうるさくなる。 友達同士で来てるから、楽しくてつい騒がしくなるんだろうけど、俺はちょっとうるさすぎて苦手。 さっさと食べて教室戻ろ。 何がいいかな… 決めた、カレーにしよう。 注文口に並んで購入、空いている席を探していると、手招きしている手が見える。 ま、でも俺は誰とも約束してないから、他の人を呼んでいるんだろうな。 さて、空いてる席は… 「ひろ!」 あれ?あの手は優希だったのか、そして相手は俺で良かったんだ。 ありがたく、優希の前に座る。 「ひろはいつもお弁当だよね?」 「うん、今日は母さんの出勤時間早かったからね。優希こそ、お弁当作ってもらってるんじゃなかったっけ?」 「…慌てて家出てきて忘れちゃった」 「優希のお母さん、可哀想だな」 「そりゃ、悪かったなって思ってるけどさ」 少しふてくされ気味の優希の鼻をつまんだ。 「そう思うなら、少し余裕もって起きろよ、万年遅刻ギリギリの優希ちゃん」 そう言って、鼻から手を離すと、ちょっと赤くなった鼻をさすりながらの優希。 「なんで、遅刻ギリギリって知ってるの?」 「俺今窓際の席だから、駆け込んでくる優希が見えるんだよ」 「そっか、そうだね」 えへへ、って意味もなく笑う優希。 変な奴。
/109ページ

最初のコメントを投稿しよう!

99人が本棚に入れています
本棚に追加