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学食に近づくに連れうるさくなる。
友達同士で来てるから、楽しくてつい騒がしくなるんだろうけど、俺はちょっとうるさすぎて苦手。
さっさと食べて教室戻ろ。
何がいいかな…
決めた、カレーにしよう。
注文口に並んで購入、空いている席を探していると、手招きしている手が見える。
ま、でも俺は誰とも約束してないから、他の人を呼んでいるんだろうな。
さて、空いてる席は…
「ひろ!」
あれ?あの手は優希だったのか、そして相手は俺で良かったんだ。
ありがたく、優希の前に座る。
「ひろはいつもお弁当だよね?」
「うん、今日は母さんの出勤時間早かったからね。優希こそ、お弁当作ってもらってるんじゃなかったっけ?」
「…慌てて家出てきて忘れちゃった」
「優希のお母さん、可哀想だな」
「そりゃ、悪かったなって思ってるけどさ」
少しふてくされ気味の優希の鼻をつまんだ。
「そう思うなら、少し余裕もって起きろよ、万年遅刻ギリギリの優希ちゃん」
そう言って、鼻から手を離すと、ちょっと赤くなった鼻をさすりながらの優希。
「なんで、遅刻ギリギリって知ってるの?」
「俺今窓際の席だから、駆け込んでくる優希が見えるんだよ」
「そっか、そうだね」
えへへ、って意味もなく笑う優希。
変な奴。
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