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体育館脇を抜けるとそこはもう駐輪場で、俺の自転車も置いてある。
「ひろ!」
名前を呼ばれる。
正確には、葉山弘樹だけど、目の前にいる幼なじみ、長森優希からはそう呼ばれてる。
「なに?」
「あー、今体育館裏から来たじゃん、何かあったのかと思ってさ」
「別に何もないよ」
そう答えたのに、優希の話は続く。
「もしかして、告白?」
それ聞かれて、うん、て返事する程は馬鹿じゃないつもりだけどな。
「優希には関係ないよ。あ、優ねぇ体調崩したりしてない?」
俺は自転車に跨ぎながら、聞いた。
「なんで、いきなり優ねぇ?元気だけど」
「明日、お店に予約いれてるから、じゃあな」
急がないと、バイト遅刻する。
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