その1

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「なんだ? あんなに激しかったのに覚えてないのか」 「え?!やー………」 ードサッ ……ん? 男の返答に困って下を向いて考えていると、急に後ろに身体を引かれ背中には布団、目の前には男の胸板……胸板?!! 「ちょ、何しはるん?!」 「ん?や、わすれたんなら身体で思い出させようかなと」 いやいやいや! 何をとんでもないことをしようとしてるんですかこの男は! 「いや、勘弁しぃッ?!」 後退りしながら腰を曲げた瞬間、鈍い痛みが走った。 うー初めてだからなのかな? けど、この痛みなんか…… 「クックックッ…あははは! 冗談だ冗談」 「へ?」 一頻り笑ったあと、男が脱いだであろう服を手に取りながら語った。 「激しいなんて冗談だ。 お前は俺を見送るときに、階段から滑り落ちて腰強く打ち付けたんだよ」 .
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