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二人が盛り上がっている中、恵は気乗りしない声音で呟いた。
『こういう占い師って、どうしてこんなヒドイ当て字の名前を使うのかしら』
ダサい、と言いそうになって、恵は言葉を飲み込んだ。
何も、その先生とやらを信じている人たちの前で言わなくてもいい。
それに、と恵は思う。
『運命の人は、すぐそばにいます。心を研ぎ澄ませて、素直になって。』
思い当たる人が、いないとも言えない。
その顔が脳裏を横切って、恵は思わず溜息をついた。
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