2551人が本棚に入れています
本棚に追加
繋いだ君の手から
少しだけ…
不安…みたいなものを感じて気になったけど
彼女から何も言わないのに詮索するような真似はしたくないから
『麻紀ちゃん?
僕と一緒にいるのに
他の事なんて考えてると…
今、ここで
僕の事だけしか考えられなくしちゃうけどいい?』
『…え…っ…ええっ…!?』
慌てる君は想定内
わざと耳元に唇を寄せて
囁くと
真っ赤になった君は
必死で首を振る
『…ダッ…ダメです!!
こんな所で…そんなっ』
『…ん…?
そんなって…どんな事を期待しているの?
麻紀ちゃん大胆だなぁ…』
『……っ…////!!
桐谷さん…っ!!』
ククッ…
軽く睨む瞳が可愛い
『…ほら
そんな顔してないで
ほんとにキスしちゃうよ?』
『…また…そんな冗談…っ…』
『冗談かそうじゃないか…
確めてみる?』
『えっ…ちょっ…!?
ん…んん…っ』
どうせ最初からそのつもりだったし
ここが何処であろうと
君にキスしたいからするだけ
全力で僕の胸を叩いていた彼女の手は
深くなるキスに流されるように
ゆっくり背中に回された
腕の中に君を納めて
柔らかい髪を撫でながら
何度もキスを繰り返す
周りから感じる
好奇の視線
公衆の面前とか
すっかり忘れてた
だって
君にキスしたかったんだ
仕方ないじゃない
最初のコメントを投稿しよう!