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一通りショッピングモールを廻って
そろそろ一息つきたいな…って
時計を見ると
ちょうどよく針が12時を差していた
『麻紀ちゃん
何食べたい?』
『何でもいいんですけど…
私…桐谷さんの好きなもの食べたい…』
え…?僕の…?
『なんで?
君の好きなものでいいんだよ?』
予想外の言葉が返ってきて
何が食べたいかなんて
全く考えてなかったから
思わず聞き返す形になってしまったんだけど
『…私…
桐谷さんの好きなもの知りたくて
桐谷さんの事…
何にも知らないから…
昨日…服を選んでいて初めて気付いたんです
桐谷さんの
好きなものも
嫌いなものも
好みの服も…何も知らない』
どんどん声が小さくなって
寂しそうに俯く姿とか
君ってどんだけ無意識なのさ
天然でこの可愛さとか
あり得ないでしょ
もう…
この僕が完全に振り回されてる
『…そんなこと気にしてたの?
そうゆうのは
焦らなくても
これからじっくり話していけばいいじゃない
僕も君の事
知りたいし…ね?
でもまあ…君がそう言うなら
今日は僕の好きなものにしてもいいけど?』
『はい…っ!!』
『麻紀ちゃん』
『はい?』
『君が一番好き』
『………………』
『だから…
僕の好きなものは
麻紀ちゃん』
『…っ…////
それっ…お昼ご飯じゃないです!!』
『…お昼ご飯でもいいんだけど?』
『…桐谷さん…っっ///!!』
グイッ…と僕の服を引っ張って
顔を埋める君が
一番好きなんだ
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