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『パスタとか好きだよ』
やっと教えて貰った彼の好きなもの
パスタは私も大好き
オイル系を頼んだ私と
クリーム系を頼んだ桐谷さん
『辛いのよりもクリーム系が好きなんだよね
辛いのも嫌いじゃないんだけど』
そう言って
私のお皿からクルクルッ…っとパスタを絡めて拉致って行った
『…あ…じゃあ私も!!』
フォークを差し出した私から
自分のお皿を取り上げて
ニッコリ…
『君には僕が食べさせてあげる
はい、あーんして?』
…っ…ここで!?
それは…さすがに…
だって…お昼時
半端ない客数なんですけど!!
そんなことお構い無し
そんな風にパスタを差し出す彼は
とても楽しそうで
きっと…食べるまでこのままだ
拒んで口移しされた過去を思い出して
一気に顔が火照る
こんな公衆の面前で
それだけは絶対…避けたい
大人しく口を開けると
『…少しは学習したね?』
なんて
少し意地悪な笑みを浮かべながら
嬉しそうに口に運んでくれた
『美味しいですね…これ』
安心したのもつかの間
『…麻紀ちゃん
ソース付いてる』
『…えっ…どこですか?』
『…ここ』
グイッ…
ペロッ…チュッ…
引き寄せられた首
舐められた口元
『…ん、美味しいね麻紀ちゃん』
『……ううっ…////』
結局
桐谷さん相手に
学習能力も何もあったもんじゃない
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