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『しょうちゃん…っ…
しょうちゃ…ん…っ…』
『なぁに?麻紀…
また泣いてるの?
今日はどうしたの…』
『…お家にあったチョコレート…なくなってるの…っ』
『………
それ…昨日麻紀、食べてなかったっけ?』
『…あ…そっか…
ねぇ…しょうちゃん
チョコレート持ってなぁい?』
『…そんなの急に言われても持ってないよ…』
『…食べたい…』
『…ないってば』
『食べたい~っ!!』
『…もう…なんでそんなに我が儘なの?
…アメならあるけど』
『アメでいいっ!!
しょうちゃん、ちょーだいっ?』
両手の手のひらを出して
さっきまで潤ませてた目をキラキラさせて
小さな手に二つ乗せてあげると
我が儘なお姫様は
ニッコリ笑って
一つを口に頬張った
『…美味しい?』
『うん…っ!!
ありがと、しょうちゃん!!
はいっ…これ
しょうちゃんと半分こ…ね?』
残ったもう一つを僕に差し出して
まるで自分があげた気になってる
…これ…僕があげたんだけど。
でも
『しょうちゃんが大好きだからあげるんだよ』
なんて言われたら
『…ありがと。』
そう言うしかないじゃない
日本一我が儘な僕の幼馴染みは
世界で一番
大事な僕のお姫様だった
『しょうちゃん…っ!!』
目を閉じれば
すぐに浮かんでくる麻紀の姿が
最近
はっきり思い出せないんだ
思い出そうとすると
必ずと言っていいほど浮かんでくる麻紀ちゃんが
小さな麻紀と重なるから
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