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その視線先には嵐の荒々しさをその一本のしなやかな影に体現したかのような存在、ドラゴンがいた。
その身体からは所々血が吹き出しており自身を鮮やかに染めている。
しかし、手負いであってもその神々しさには目を見張るものがあった。
「グウオォォ・・・この俺が・・・このような小人に・・・なんたる屈辱・・・これではまるで『あの時』と・・・」
ドラゴンが忌々しそうに吐き捨てる。
「・・・・・・」
男は、周囲に転がるかつて仲間であった死体を見ながら大剣を構え直す。
腕からは勢いよく血が流れる、限界はとうに超えていた。
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